子供の貧困対策に関する大綱は、子どもの育ちを家庭の経済状況だけに左右させないための政府方針です。
保育士試験の社会福祉では、支援の内容だけでなく、現在はこども大綱に統合されている点も重要です。独学で勉強する際は、根拠法・旧大綱・現在の仕組みを時系列で整理しましょう。
子供の貧困対策に関する大綱とは?
子供の貧困対策に関する大綱は、2013(平成25)年制定の「子どもの貧困対策の推進に関する法律」に基づき、政府が総合的な方針を示したものです。
最初の大綱は2014(平成26)年に、改定版は2019(令和元)年に閣議決定されました。教育、生活の安定、保護者の就労、経済面の支援を柱とし、家庭だけに責任を負わせず、社会全体で貧困の連鎖を断つことを目指しました。
具体的な支援内容は、次の4分野に整理できます。
| 支援の柱 | 具体的な内容・事業の例 |
|---|---|
| 教育の支援 | 幼児教育・保育の負担軽減、学校を支援の窓口とする体制づくり、スクールソーシャルワーカーの配置、生活困窮世帯への学習支援、高校中退の予防、大学等への進学・修学支援 |
| 生活の安定に資するための支援 | 妊娠・出産期からの相談支援、保護者の自立支援、保育サービスの確保、子どもの居場所や生活・学習の支援、住宅支援、児童養護施設を退所した若者などへの相談・自立支援 |
| 保護者への就労支援 | ひとり親家庭の就職・資格取得支援、生活困窮世帯への就労相談、ふたり親世帯を含む困窮世帯への就労支援、仕事と子育てを両立しやすい環境の整備 |
| 経済的支援 | 児童手当・児童扶養手当、生活保護、就学援助、教育費の負担軽減、高等教育の修学支援、ひとり親家庭における養育費確保の支援 |
これらは別々に行うのではなく、家庭の状況に応じて組み合わせ、妊娠・出産期から子どもの社会的自立まで切れ目なく支援することが重視されています。
保育士試験で覚えるポイント
令和3年 保育士試験(後期)問題 子ども家庭福祉 問16では、大綱の理念、妊娠期からの切れ目ない支援、学校を地域の支援拠点とする考え方、保護者への就労支援などが問われました。地方公共団体の貧困対策計画は「必ず策定する義務」ではなく、策定に努めるものとされている点にも注意しましょう。
現在までの流れは次のとおりです。
| 時期 | 主な動き |
|---|---|
| 2013年 | 子どもの貧困対策の推進に関する法律が制定 |
| 2014年 | 最初の大綱を閣議決定 |
| 2019年 | 大綱を改定 |
| 2023年 | こども大綱が閣議決定され、旧大綱を含む三つの大綱を一元化 |
| 2024年 | 法律名を「こどもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する法律」へ変更 |
現行法では、こども大綱のうち貧困対策に関する部分を、同法に基づく大綱とみなします。
つまり、貧困対策が終了したのではなく、独立した旧大綱から、こども施策全体を扱うこども大綱の中へ統合されたのです。令和7年 保育士試験(前期)問題 子ども家庭福祉 問4でも、この三大綱の一元化が問われています。
子供の貧困対策に関する大綱の○×クイズ
問題
子供の貧困対策に関する大綱は、現在、独立した旧大綱ではなく、こども大綱のうち貧困対策に関係する部分がその役割を担っている。○か×か。
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解答
○
解説
2023年に旧大綱はこども大綱へ一元化されました。現行法でも、こども大綱の関係部分を貧困対策の大綱とみなすことが定められています。
関連用語
子どもの貧困、こども大綱、こども基本法をあわせて確認すると、貧困対策が個別の支援から総合的なこども施策へ位置づけ直された流れを整理できます。







