養育支援訪問事業は、支援が必要な家庭を訪ねる制度ですが、乳児家庭全戸訪問事業や子育て世帯訪問支援事業との違いが混同されやすい用語です。
社会福祉分野の保育士試験対策を独学で勉強する方に向けて、根拠法、制度上の分類、支援内容を整理します。試験で押さえるポイントも簡潔に確認しましょう。
養育支援訪問事業とは?
養育支援訪問事業は、児童福祉法第6条の3第5項に基づき、養育上の支援が特に必要な家庭を訪問して、相談・指導・助言などを行う事業です。
対象には、育児不安や孤立感の強い家庭、虐待リスクのある家庭、支援が必要な妊婦などが含まれます。
実施主体は市町村で、保健師、助産師、看護師、保育士、児童指導員などが専門的な相談支援を行います。児童福祉法上の家庭支援事業であり、子ども・子育て支援法上は地域子ども・子育て支援事業にも位置づけられます。
専門的な相談支援として、新生児訪問指導がありますが、これは母子保健法上の支援であり、さまざまな点が異なります。
| 比較項目 | 新生児訪問指導 | 養育支援訪問事業 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 母子保健法第11条 | 児童福祉法第6条の3第5項 |
| 制度の分野 | 母子保健 | 児童福祉・家庭支援 |
| 主な対象 | 市町村長が育児上必要と認める新生児とその保護者 | 養育支援が特に必要な児童と保護者、特定妊婦 |
| 年齢 | 新生児は「出生後28日を経過しない乳児」。必要に応じて新生児期後も指導を継続できる | 新生児に限定されない。法令上は妊娠期から18歳未満の児童のいる家庭まで対象になり得る |
| 主な目的 | 新生児の発育・栄養・生活環境などを確認し、育児上必要な保健指導を行う | 育児不安、孤立、養育環境の問題、虐待リスクなどがある家庭に専門的な相談・指導・助言を行う |
| 訪問する人 | 医師、保健師、助産師、その他の職員 | 保健師、助産師、看護師、保育士などの専門職 |
| 支援の特徴 | 出生直後の母子の健康と育児に重点を置く | 家庭全体の養育力や養育環境の改善に重点を置き、継続的に支援することがある |
保育士試験で覚えるポイント
養育支援訪問事業は、制度を見る角度によって分類が異なります。
児童福祉法上は6つの家庭支援事業の一つ、子ども・子育て支援法上は市町村が実施する地域子ども・子育て支援事業、社会福祉法上は第二種社会福祉事業です。
令和6年度からは、養育支援訪問事業が保健師などによる専門的な相談支援を担い、子育て世帯訪問支援事業が家事・育児などの実務的な援助を担う形に整理されています。
| 事業 | 主な対象 | 支援の中心 |
|---|---|---|
| 乳児家庭全戸訪問事業 | おおむね生後4か月までの乳児がいる全家庭 | 情報提供、悩みの傾聴、養育環境の把握 |
| 養育支援訪問事業 | 養育支援が特に必要と判断された家庭や妊婦 | 専門職による相談・指導・助言 |
| 子育て世帯訪問支援事業 | 家事・育児に不安や負担を抱える家庭、妊産婦、ヤングケアラーなど | 家事・育児の援助と悩みの傾聴 |
養育支援訪問事業の○×クイズ
問題
養育支援訪問事業は、児童福祉法に基づき、養育支援が特に必要な家庭などを市町村が訪問し、保健師等による養育上の相談・指導・助言を行う事業である。○か×か。
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解答
○
解説
実施主体は市町村で、専門職が家庭を訪問して適切な養育につながるよう支援します。乳児のいる全家庭を対象とする乳児家庭全戸訪問事業とは対象が異なります。
関連用語
乳児家庭全戸訪問事業、子育て世帯訪問支援事業、地域子ども・子育て支援事業をあわせて確認すると、訪問対象や支援内容、制度上の位置づけの違いを整理しやすくなります。







