重層的支援体制整備事業は、複数分野にまたがる生活課題を地域全体で支える仕組みです。保育士試験の社会福祉では、根拠法、実施主体、事業内容が出題されています。独学で勉強する方が混同しやすい「市町村の任意事業」という点も含め、制度が生まれた時代背景から整理します。
目次
重層的支援体制整備事業とは?
重層的支援体制整備事業とは、複雑化・複合化した地域生活課題に対応するため、市町村が相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援を一体的に行う事業です。根拠法は社会福祉法第106条の4です。高齢、障害、子ども、生活困窮などの分野別制度だけでは対応しにくい8050問題、ダブルケア、社会的孤立などを背景に、2020年の社会福祉法改正で創設され、2021年4月に施行されました。実施は市町村の任意です。
保育士試験で覚えるポイント
令和8年 保育士試験(前期)問題 社会福祉 問17では、重層的支援体制整備事業実施計画の根拠法が社会福祉法であることが問われました。令和7年 保育士試験(前期)問題 社会福祉 問18では、相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援の具体的な内容が出題されています。試験対策では「社会福祉法・市町村・任意事業・3つの支援を一体的に実施」と整理しましょう。
事業を構成する5つの取組は、次のとおりです。
| 取組 | 主な役割 |
|---|---|
| 包括的相談支援事業 | 高齢、障害、子ども、生活困窮などの分野を問わず、相談を幅広く受け止めます。 |
| 参加支援事業 | 本人の希望や状況に合わせ、就労、居場所、地域活動などの社会参加につなげます。 |
| 地域づくり事業 | 世代や属性を超えて交流できる居場所や、地域住民同士のつながりをつくります。 |
| アウトリーチ等を通じた継続的支援事業 | 自ら相談することが難しい人を訪問するなどして、支援とのつながりを継続的につくります。 |
| 多機関協働事業 | 複数の支援機関が関わる事例について、支援方針や各機関の役割を調整します。 |
重層的支援体制整備事業の○×クイズ
問題
重層的支援体制整備事業は、社会福祉法により、すべての市町村に実施が義務づけられている。○か×か。
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解答
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解説
重層的支援体制整備事業は、市町村が行うことのできる任意事業です。ただし、実施する場合は、相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援を一体的に行います。
関連用語
地域共生社会、包括的支援体制、アウトリーチをあわせて確認すると、分野別の制度だけでは解決しにくい地域生活課題を、複数の機関と地域住民が連携して支える考え方を理解しやすくなります。
