保育士試験の社会福祉を独学で勉強すると、労災保険と雇用保険などの違いが混同しやすくなります。
過去問対策では、仕事中や通勤中のけが・病気を補償する制度であること、対象となる労働者、保険料の負担者、主な給付を他の社会保険と比べて押さえましょう。
労災保険とは?
労災保険は、正式には労働者災害補償保険といい、労働者災害補償保険法に基づく社会保険です。
労働者が仕事または通勤を原因として、けがや病気、障害、死亡などの被害を受けた場合に、治療や休業中の所得、障害が残った場合や死亡した場合の生活を支えます。正社員だけでなく、パートやアルバイトなども原則として対象となり、保険料は事業主が全額負担します。
保育士試験で覚えるポイント
令和5年 保育士試験(前期)問題 社会福祉 問4では、事業の規模や正規・非正規などの雇用形態にかかわらず、労働者には原則として労災保険が適用されることが問われました。
令和6年 保育士試験(前期)問題 社会福祉 問7では、業務災害に関する主な保険給付の名称が問われました。労災保険の給付は、被災した労働者の状況に応じて、次のように分類できます。
| 給付の名称 | 支給される場面 |
|---|---|
| 療養補償給付 | 業務によるけがや病気の治療が必要なときに、診察や治療を受けられるようにする給付 |
| 休業補償給付 | 治療のため働けず、賃金を受けられないときに、休業4日目から所得の一部を補う給付 |
| 傷病補償年金 | 治療開始から1年6か月を過ぎても治らず、一定の重い状態が続いているときに支給される年金 |
| 障害補償給付 | けがや病気が治った後、または症状が固定した後に障害が残ったときに、程度に応じて支給される年金または一時金 |
| 遺族補償給付 | 労働者が業務災害によって死亡したときに、一定の遺族へ支給される年金または一時金 |
| 葬祭料 | 業務災害で死亡した労働者の葬祭を行う人に支給される給付 |
| 介護補償給付 | 重い障害が残り、現に介護を受けているときに、介護費用を補う給付 |
「治療中は療養補償給付」「働けない期間は休業補償給付」「治療が長期化した場合は傷病補償年金」「障害が残った場合は障害補償給付」と、労働者の状態に沿って整理すると覚えやすくなります。
死亡した場合は遺族補償給付と葬祭料、重い障害によって介護が必要な場合は介護補償給付が関係します。
これらは業務災害の場合の名称です。通勤災害では、療養給付、休業給付、傷病年金、障害給付、遺族給付、葬祭給付、介護給付のように、原則として名称から「補償」が外れます。
社会保険は、次のように比較すると整理しやすくなります。
| 社会保険 | 主に備える事態 | 主な給付・サービス |
|---|---|---|
| 労災保険 | 業務・通勤によるけが、病気、障害、死亡 | 療養、休業、障害、遺族への給付など |
| 雇用保険 | 失業、育児・介護による休業など | 基本手当、育児休業等給付、教育訓練給付など |
| 医療保険 | 病気、けが、出産など | 療養の給付、出産育児一時金など |
| 年金保険 | 老齢、障害、死亡 | 老齢年金、障害年金、遺族年金 |
| 介護保険 | 要介護・要支援状態 | 訪問介護、通所介護、施設サービスなど |
労災保険と雇用保険は、まとめて「労働保険」と呼ばれます。ただし、労災保険が業務・通勤による災害を補償するのに対し、雇用保険は失業時の生活や雇用の継続を支える制度です。
労災保険の○×クイズ
問題
労災保険は、パートやアルバイトを含む労働者に原則として適用され、保険料は事業主が全額負担する。○か×か。
解答を見る
解答
○
解説
雇用形態にかかわらず、事業に使用されて賃金を受ける労働者は原則として対象です。労災保険料は労働者本人ではなく、事業主が全額負担します。
関連用語
社会保険の全体像を確認し、雇用保険や医療保険と比べると、労災保険が業務・通勤による災害を補償する制度であることが明確になります。社会保険、雇用保険、医療保険もあわせて確認しましょう。






