ベヴァリッジ報告は、保育士試験の社会福祉分野で、イギリスの社会福祉史として問われやすい重要用語です。
独学で勉強する際は、1942年、五つの巨悪、第二次世界大戦後の福祉国家形成という流れで押さえましょう。
ベヴァリッジ報告とは?
ベヴァリッジ報告とは、1942年にイギリスでウィリアム・ベヴァリッジがまとめた社会保険および関連サービスに関する報告です。
社会保険による所得保障を、社会政策全体の一部に位置づけ、家族手当、包括的な保健・医療、雇用の維持などと組み合わせて国民生活を支える構想を示しました。第二次世界大戦後のイギリスにおける福祉国家形成へ大きな影響を与えています。
保育士試験で覚えるポイント
ベヴァリッジ報告は、社会が取り組むべき課題として、Want、Disease、Ignorance、Squalor、Idleness という五つの巨悪を示しました。
| 原文 | 訳 | 文脈上の意味 |
|---|---|---|
| Want | 窮乏・貧困 | 生活に必要な所得や物資が不足する状態 |
| Disease | 疾病 | 病気や必要な医療を受けられない状態 |
| Ignorance | 無知 | 教育や学習の機会が不足する状態 |
| Squalor | 不潔 | 不衛生で劣悪な住宅・生活環境 |
| Idleness | 無為 | 失業や雇用機会の不足によって働けず、無為に置かれる状態 |
「不潔」は個人の清潔習慣、「怠惰」は本人が怠けていることを意味するのではありません。劣悪な住環境と、失業によって働けない状態を指すものとして理解しましょう。
令和6年 保育士試験(前期)問題 社会福祉 問2では、1942年にイギリスで示された「社会保険と関連サービス」が、通称「ベヴァリッジ報告」であることが問われました。
年代順では、救貧法、慈善組織協会、セツルメント運動より後に位置づけます。
| 年代 | 法律等 | 支援の考え方と特徴 | 試験での重要語 |
|---|---|---|---|
| 1601年 | エリザベス救貧法 | 教区が救貧税を集め、労働能力などに応じて貧民を救済した | 公的救貧制度、教区、救貧税 |
| 1834年 | 新救貧法 | 労役場への収容を中心とし、救済を受ける者の生活条件を最下層の労働者より低くした | 劣等処遇の原則、労役場 |
| 1869年 | 慈善組織協会(COS) | 民間慈善の重複や漏れを調整し、友愛訪問員が個人・家庭の状況を調査した | 友愛訪問、個別援助、ケースワークの源流 |
| 1884年 | セツルメント運動 | 支援者が貧困地域で住民と生活を共にし、教育や地域活動を通して生活環境の改善を目指した | トインビーホール、地域改善、コミュニティワーク・グループワークの源流 |
| 1942年 | ベヴァリッジ報告 | 社会保険による所得保障を、医療・教育・住宅・雇用などの政策と結び付け、国民全体を支える構想を示した | 『社会保険および関連サービス』、五つの巨悪、福祉国家 |
ベヴァリッジ報告の○×クイズ
問題
ベヴァリッジ報告は、1942年にイギリスで示され、所得保障を含む社会政策の構想を通して五つの巨悪への対応を目指した。○か×か。
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解答
○
解説
ベヴァリッジ報告は、社会保険による所得保障を社会政策全体の一部として位置づけ、戦後のイギリス福祉国家形成に大きな影響を与えました。
関連用語
ベヴァリッジ報告を理解するには、救貧法、慈善組織協会(COS)、セツルメント運動をあわせて確認しましょう。民間慈善や地域改善を中心とした取組から、国家が社会保障制度を整備する段階へ進んだ流れが整理しやすくなります。





