児童福祉施設は、保育所や児童養護施設だけを指す言葉ではなく、児童福祉法が列挙する施設の総称です。
保育士試験の社会福祉対策では、施設の目的と配置職種の組合せが頻出です。独学で勉強する受験生向けに、現行の13種類を一覧にし、混同しやすい制度との違いも整理します。
児童福祉施設とは?
児童福祉施設は、児童福祉法第7条が定める13種類の施設の総称です。
助産施設や保育所のように地域で利用する施設から、乳児院や児童養護施設などの入所施設、児童家庭支援センターのような相談支援施設まで含まれます。
設置・運営の基準は同法第45条を受けた都道府県等の条例で定められ、その基準は内閣府令を基礎とします。児童相談所、一時保護施設、自立援助ホームは、児童福祉に関係する機関・施設・事業ですが、同法第7条の児童福祉施設には含まれません。
保育士試験で覚えるポイント
現行の児童福祉法では、児童福祉施設は次の13種類です。2024年4月に里親支援センターが加わり、同時に児童発達支援センターの「福祉型」「医療型」という法令上の類型は児童発達支援センターに一元化されました。
配置職種欄は、法令上の必置職種を中心とした代表例です。定員、利用児童の状態、業務委託の有無などにより、追加配置や例外があります。
| 施設 | 社会福祉事業の区分 | 主な役割 | 代表的な配置職種 |
|---|---|---|---|
| 助産施設 | 第二種社会福祉事業 | 経済的な理由により入院助産を受けにくい妊産婦を入所させ、助産を行う | 医療法上の職員。第二種助産施設では助産師、嘱託医 |
| 乳児院 | 第一種社会福祉事業 | 乳児を中心に養育し、退所後も相談・援助を行う | 医師または嘱託医、看護師、個別対応職員、家庭支援専門相談員など |
| 母子生活支援施設 | 第一種社会福祉事業 | 配偶者のない女性とその子どもを保護し、生活支援や自立支援を行う | 母子支援員、少年を指導する職員、嘱託医など |
| 保育所 | 第二種社会福祉事業 | 保育を必要とする乳幼児を日々保育する | 保育士、嘱託医、調理員 |
| 幼保連携型認定こども園 | 第二種社会福祉事業 | 就学前の子どもに教育と保育を一体的に提供し、地域の子育てを支援する | 園長、保育教諭など |
| 児童厚生施設 | 第二種社会福祉事業 | 児童館や児童遊園などで健全な遊びを提供し、健康や情操を育む | 児童の遊びを指導する者(一般に「児童厚生員」) |
| 児童養護施設 | 第一種社会福祉事業 | 保護者のいない児童、虐待を受けた児童などを養護し、自立を支援する | 児童指導員、保育士、嘱託医、個別対応職員、家庭支援専門相談員など |
| 障害児入所施設 | 第一種社会福祉事業 | 障害児を入所させて保護・生活支援を行い、医療型では治療も提供する | 福祉型は児童指導員、保育士、児童発達支援管理責任者、嘱託医など。医療型は病院職員に加え、児童指導員、保育士、児童発達支援管理責任者など |
| 児童発達支援センター | 第二種社会福祉事業(障害児通所支援事業) | 障害児への通所支援を行い、地域の障害児支援の中核を担う | 嘱託医、児童指導員、保育士、児童発達支援管理責任者など |
| 児童心理治療施設 | 第一種社会福祉事業 | 心理的・精神的な問題を抱える児童に、短期間の心理治療と生活指導を行う | 医師、心理療法担当職員、児童指導員、保育士、看護師、家庭支援専門相談員など |
| 児童自立支援施設 | 第一種社会福祉事業 | 不良行為をした、またはそのおそれがある児童などに生活指導と自立支援を行う | 児童自立支援専門員、児童生活支援員、嘱託医、個別対応職員、家庭支援専門相談員など |
| 児童家庭支援センター | 第二種社会福祉事業 | 家庭からの専門的な相談に応じ、市町村への技術的援助や関係機関との調整を行う | 支援を担当する職員 |
| 里親支援センター | 第二種社会福祉事業 | 里親の開拓・研修、委託の推進、里親家庭への継続的な支援を行う | センター長、里親制度等普及促進担当者、里親等支援員、里親研修等担当者 |
社会福祉法上、児童福祉施設の経営は一律に同じ種類の社会福祉事業となるわけではありません。第一種社会福祉事業に当たるのは、乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設を経営する事業です。
助産施設、保育所、児童厚生施設、児童家庭支援センター、里親支援センターを経営する事業は第二種社会福祉事業です。幼保連携型認定こども園の経営も第二種に分類され、児童発達支援センターで行われる児童発達支援は、障害児通所支援事業として第二種に位置づけられます。
令和4年 保育士試験(後期)問題 社会福祉 問8では、助産施設、母子生活支援施設、保育所、児童家庭支援センターについて、第一種・第二種社会福祉事業の区別が問われました。
令和2年 保育士試験(後期)問題 子ども家庭福祉 問8では、児童福祉法第7条に列挙される施設と、自立援助ホームとの区別が問われました。自立援助ホームは児童自立生活援助事業を行う住居であり、児童福祉施設には含まれません。
同試験の問9では、児童心理治療施設の配置職種が問われました。児童生活支援員は児童心理治療施設ではなく、児童自立支援施設に配置される職種です。
児童福祉施設の○×クイズ
問題
児童福祉法第7条に定める児童福祉施設には、児童家庭支援センターと里親支援センターが含まれる。○か×か。
解答を見る
解答
○
解説
いずれも児童福祉法第7条に列挙された児童福祉施設です。里親支援センターは、2024年4月から児童福祉施設に加わりました。
関連用語
児童福祉施設の範囲と目的を確認するには、根拠となる児童福祉法と、配置職種などを定める児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を併せて学びましょう。施設で生活支援を担う児童指導員、新しく加わった里親支援センター、施設経営の制度上の位置づけに関わる第一種社会福祉事業も関連の強い用語です。





