【保育士試験用語集】新救貧法とは?社会福祉分野をわかりやすく解説

保育士試験対策用語集:新救貧法

新救貧法は、保育士試験の社会福祉で、イギリスの社会福祉史を勉強するうえで重要な用語です。独学で対策する際は、エリザベス救貧法からの変化、劣等処遇の原則、後の慈善組織協会やセツルメント運動への流れと結びつけて理解しましょう。

目次

新救貧法とは?

新救貧法とは、1834年にイギリスで成立した救貧制度の改正法です。

産業革命後、都市部で貧困者が増え、従来の救貧制度では対応しきれなくなったことを背景に、救済のあり方が見直されました。

特徴は、救済内容を全国的に統一し、救済を受ける人の生活水準を最下層労働者より低くする「劣等処遇の原則」を採用した点です。保護は主に救貧院で行われ、働ける人には労働が求められました。

保育士試験で覚えるポイント

令和6年 保育士試験(前期)問題 社会福祉 問2では、新救貧法について、窮民への援助を最下層労働者の生活以下にとどめ、働ける者には強制労働を課したという内容が問われました。

イギリスの社会福祉は、1601年のエリザベス救貧法、1834年の新救貧法、1869年の慈善組織協会、1884年のトインビーホール、1942年のベヴァリッジ報告へと流れで整理すると覚えやすくなります。

スクロールできます
年法律・運動等制度・活動の概要
1601年エリザベス救貧法教区が救貧税を徴収し、労働能力のある貧民、労働能力のない貧民、扶養される子どもなどに分けて対応した
1834年新救貧法救済を受ける者の生活水準を最下層の労働者より低くする「劣等処遇の原則」を採用し、労役場への収容を中心とした
1869年慈善組織協会(COS)重複する慈善活動を調整し、友愛訪問員が貧困家庭を訪問して生活状況を調査・援助した
1884年トインビーホールバーネット夫妻がロンドンの貧困地域に設立。大学関係者などが地域に住み込み、教育、職業訓練、文化活動、生活環境の改善に取り組んだ
1942年ベヴァリッジ報告ベヴァリッジが「社会保険および関連サービス」を報告し、全国民を対象とする社会保障制度の構想を示した

流れを一言で整理すると、教区による公的救貧から始まり、救済の厳格化、民間慈善による個別援助、地域全体の改善運動を経て、国家による総合的な社会保障へ発展しました。

慈善組織協会は「個人や家庭を訪問して支援する活動」、トインビーホールは「地域に住み込んで住民と地域を変える活動」、ベヴァリッジ報告は「全国民を社会保障制度で支える構想」と区別すると、直感的に理解できます。

新救貧法の○×クイズ

問題
新救貧法は、救済を受ける人の生活水準を一般労働者より高く保つことで、貧困者の生活改善を積極的に図った法律である。○か×か。

解答を見る

解答
×

解説
新救貧法では、救済水準を最下層労働者の生活より低くする劣等処遇の原則が採用されました。生活改善を積極的に図るというより、救済を抑制的に運用する性格が強い制度でした。

関連用語

新救貧法を理解するには、エリザベス救貧法、劣等処遇の原則、慈善組織協会をあわせて確認すると効果的です。イギリスの社会福祉が、公的な救貧制度から民間慈善活動、さらに近代的な社会保障へ発展していく流れを押さえましょう。

くっしー
この記事の執筆者
はじめての保育士試験の「社会福祉」と「こども家庭福祉」で撃沈した人。普段は歯科医師として働きながら、育児をしています。
目次