介護予防サービスは、要支援者が利用する介護保険の予防給付です。しかし、総合事業や地域密着型介護予防サービスなど名称の似た制度が多く、違いを混同しやすい分野でもあります。
社会福祉の保育士試験対策として、独学で勉強する受験生が全体像をつかめるよう、対象者・根拠法・類似サービスを整理します。
介護予防サービスとは?
介護予防サービスは、介護保険法第8条の2に定められた、要支援1・2の人を対象とする介護保険サービスです。保険給付のうち「予防給付」に位置づけられ、心身機能の維持・回復や生活機能の向上を通して、要介護状態への移行や状態の悪化を防ぎます。
地域包括支援センターなどが作成する介護予防サービス計画に基づいて利用します。つまり、高齢者向けの予防活動全般ではなく、要支援認定を受けた人に提供される制度上のサービスです。
保育士試験で覚えるポイント
令和4年 保育士試験(前期)問題 社会福祉 問10では、介護予防サービスの利用につながる要支援認定について、認定を行う主体や有効期間が問われました。要支援認定は市町村が行い、認定には有効期間があります。
介護予防サービスを以下の表にまとめます。
| 分類 | 介護予防サービス | 主な内容 |
|---|---|---|
| 訪問 | 介護予防訪問入浴介護 | 看護職員や介護職員が浴槽を持って自宅を訪問し、入浴を支援する |
| 介護予防訪問看護 | 医師の指示に基づき、看護師などが自宅を訪問して療養上の世話や診療の補助を行う | |
| 介護予防訪問リハビリテーション | 医師の指示に基づき、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが自宅を訪問してリハビリテーションを行う | |
| 介護予防居宅療養管理指導 | 医師・歯科医師・薬剤師・管理栄養士などが自宅を訪問し、療養生活上の管理や指導を行う | |
| 通所 | 介護予防通所リハビリテーション | 病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院などに通い、リハビリテーションや生活機能向上の支援を受ける |
| 短期入所 | 介護予防短期入所生活介護 | 特別養護老人ホームなどに短期間宿泊し、食事・入浴などの日常生活上の支援や機能訓練を受ける |
| 介護予防短期入所療養介護 | 介護老人保健施設や介護医療院などに短期間宿泊し、医療・看護・リハビリテーションを含む支援を受ける | |
| 居住 | 介護予防特定施設入居者生活介護 | 指定を受けた有料老人ホームや軽費老人ホームなどで、介護予防を目的とする日常生活上の支援や機能訓練を受ける |
| 福祉用具 | 介護予防福祉用具貸与 | 手すり、スロープ、歩行器など、自立した生活を助ける福祉用具を借りる |
| 特定介護予防福祉用具販売 | 入浴・排泄用品など、衛生面から貸与になじまない福祉用具を購入する |
「介護予防サービス」と類似した名称を以下の表に整理します。
| 区分 | 主な対象 | 位置づけ・内容 |
|---|---|---|
| 介護予防サービス | 要支援1・2 | 介護保険の予防給付。訪問看護、通所リハビリテーション、福祉用具貸与など |
| 地域密着型介護予防サービス | 原則として要支援1・2 | 予防給付のうち市町村が指定・監督するサービス。認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護など |
| 介護予防支援 | 要支援1・2 | 介護予防サービス計画の作成や事業者との連絡調整 |
| 介護予防・日常生活支援総合事業 | 要支援者、事業対象者、地域の高齢者など | 地域支援事業の一部として市町村が実施。訪問型・通所型サービス、生活支援、一般介護予防事業など |
特に、以前の介護予防訪問介護と介護予防通所介護は、予防給付から「介護予防・日常生活支援総合事業」へ移行しています。「要支援者向けのサービスがすべて介護予防サービスに含まれるわけではない」と整理しましょう。
介護保険制度の全体像を以下の図に示します。

介護予防・日常生活支援総合事業は市町村が行う地域支援事業です。以前の介護予防訪問介護と介護予防通所介護は、訪問型サービスと通所型サービスとなります。
| 区分 | 主な内容 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 介護予防・生活支援サービス事業(第一号事業) | 訪問型サービス、通所型サービス、その他の生活支援サービス、介護予防ケアマネジメント | 主に要支援1・2の人、基本チェックリストによる事業対象者 |
| 一般介護予防事業 | 介護予防教室、通いの場、介護予防の普及啓発、地域活動への支援など | 原則として第1号被保険者である地域の高齢者 |
介護予防サービスの○×クイズ
問題
介護予防サービスは、介護保険の予防給付に位置づけられ、原則として要支援1・2と認定された人が介護予防サービス計画に基づいて利用する。○か×か。
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解答
○
解説
介護予防サービスは、要支援者の状態悪化を防ぎ、自立した生活を支える予防給付です。市町村が行う総合事業とは制度上の位置づけが異なります。
関連用語
予防給付と市町村事業の違いを整理するには、「介護予防・日常生活支援総合事業」「地域支援事業」「地域包括支援センター」もあわせて確認しましょう。





