保育士試験の社会福祉を独学で勉強するなら、介護保険法は制定年だけでなく、なぜ介護を社会全体で支える制度が必要になったのかを理解することが大切です。
過去問で問われた法律の制定順に加え、介護保険制度へ移行した背景、保険者と被保険者の違いを整理して対策しましょう。
介護保険法とは?
介護保険法は、介護が必要になった人に保健医療・福祉サービスを給付し、その人の能力に応じた自立した生活を支えるための法律です。1997(平成9)年に制定され、2000(平成12)年4月に施行されました。
市町村と特別区が保険者となり、保険料と公費を財源に運営する社会保険方式を採用しています。第1号被保険者は65歳以上、第2号被保険者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。
介護サービスを利用するには、市区町村へ要介護・要支援認定を申請します。認定調査と主治医意見書をもとに一次判定が行われ、介護認定審査会の二次判定を経て、市区町村が要介護度などを認定します。
その後、認定結果に応じたケアプランを作成し、介護サービス事業者と契約してサービスの利用を開始します。
保育士試験で覚えるポイント
令和5年 保育士試験(前期)問題 社会福祉 問1では、介護保険法を含む法律の制定順が問われました。制定年は、老人福祉法が1963年、介護保険法が1997年、介護保険制度の開始が2000年と整理しましょう。
介護保険法が制定された主な背景は、次のとおりです。
| 制定の時代背景 | 介護保険制度で目指したこと |
|---|---|
| 急速な高齢化により、介護を必要とする高齢者が増えた | 介護サービスを安定して提供する |
| 核家族化や介護者の高齢化が進み、家族の負担が重くなった | 介護を家族だけでなく社会全体で支える |
| 福祉と医療の制度が分かれ、サービスを一体的に利用しにくかった | 保健・医療・福祉サービスを総合的に提供する |
| 措置制度では、利用者がサービスを選びにくかった | 利用者が事業者を選び、契約して利用できるようにする |
| 介護の受け皿として長期入院する社会的入院が問題となった | 在宅・地域での介護を充実させる |
独学対策では、「1997年制定・2000年施行」「保険者は市町村と特別区」「第1号は65歳以上」「第2号は40~64歳の医療保険加入者」と覚えましょう。
第2号被保険者は、特定疾病によって要介護・要支援状態になった場合に給付の対象となる点にも注意が必要です。第2号被保険者に関する特定疾病は、次の16種類です。
- がん
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
介護保険法の○×クイズ
問題
介護保険法は、介護を家族だけで担うのではなく社会全体で支える仕組みを整えるため、1997(平成9)年に制定され、2000(平成12)年に施行された。○か×か。
解答を見る
解答
○
解説
高齢化や家族介護の負担増加などを背景に、社会保険方式によって介護を支える制度が創設されました。制定年と施行年を区別して覚えましょう。
関連用語
介護保険制度、要介護認定、地域包括支援センターをあわせて確認しましょう。介護保険法が制度の根拠を定め、要介護認定がサービス利用の入口となり、地域包括支援センターが総合相談や介護予防支援などを担う、というつながりで整理すると理解しやすくなります。





