保育士試験の社会福祉では、核家族化は現代の福祉ニーズが生まれる社会的背景として重要です。
独学で勉強する際は、家族構成の意味だけでなく、育児や介護を家庭だけで抱え込まないための法律・窓口・地域の支援体制まで結び付けると、過去問対策として理解しやすくなります。
核家族化とは?
核家族化とは、三世代同居などに比べ、夫婦のみ、夫婦と未婚の子、ひとり親と未婚の子からなる核家族世帯が中心となっていく傾向です。核家族であること自体を問題とする言葉ではありません。
ただし、身近な親族から育児・介護・家事の助けを得にくい場合、負担や不安が少人数に集中し、孤立が深まりやすくなります。そのため社会福祉では、家庭内の支えだけに頼らず、地域の相談機関や公的サービスにつなぐ支援が重要になります。
可能です。同じ調査で比較できるよう、厚生労働省「国民生活基礎調査」で統一すると分かりやすくなります。
核家族世帯の年次推移
ここでいう核家族世帯は、次の3種類を合計したものです。
- 夫婦のみの世帯
- 夫婦と未婚の子のみの世帯
- ひとり親と未婚の子のみの世帯
全世帯における核家族世帯
| 年 | 全世帯数 | 核家族世帯数 | 全世帯に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 1986(昭和61)年 | 3,754.4万世帯 | 2,283.4万世帯 | 60.8% |
| 1989(平成元)年 | 3,941.7万世帯 | 2,378.5万世帯 | 60.3% |
| 1992(平成4)年 | 4,121.0万世帯 | 2,431.6万世帯 | 59.0% |
| 1995(平成7)年 | 4,077.0万世帯 | 2,399.8万世帯 | 58.9% |
| 1998(平成10)年 | 4,449.6万世帯 | 2,609.6万世帯 | 58.6% |
| 2001(平成13)年 | 4,566.4万世帯 | 2,689.3万世帯 | 58.9% |
| 2004(平成16)年 | 4,632.3万世帯 | 2,806.0万世帯 | 60.6% |
| 2007(平成19)年 | 4,802.3万世帯 | 2,865.7万世帯 | 59.7% |
| 2010(平成22)年 | 4,863.8万世帯 | 2,909.6万世帯 | 59.8% |
| 2013(平成25)年 | 5,011.2万世帯 | 3,016.4万世帯 | 60.2% |
| 2016(平成28)年 | 4,994.5万世帯 | 3,023.4万世帯 | 60.5% |
| 2019(令和元)年 | 5,178.5万世帯 | 3,097.3万世帯 | 59.8% |
| 2022(令和4)年 | 5,431.0万世帯 | 3,101.8万世帯 | 57.1% |
| 2023(令和5)年 | 5,445.2万世帯 | 3,064.2万世帯 | 56.3% |
| 2024(令和6)年 | 5,482.5万世帯 | 3,067.4万世帯 | 55.9% |
核家族世帯の実数は長期的に増加してきましたが、近年はおおむね横ばいです。一方、単独世帯が増えているため、全世帯に占める核家族世帯の割合は低下傾向にあります。
児童のいる世帯における核家族世帯
ここでいう児童は、18歳未満の未婚者を指します。
| 年 | 児童のいる世帯数 | うち核家族世帯数 | 児童のいる世帯に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 1986(昭和61)年 | 1,736.4万世帯 | 1,208.0万世帯 | 69.6% |
| 1989(平成元)年 | 1,642.6万世帯 | 1,141.9万世帯 | 69.5% |
| 1992(平成4)年 | 1,500.9万世帯 | 1,037.1万世帯 | 69.1% |
| 1995(平成7)年 | 1,358.6万世帯 | 941.9万世帯 | 69.3% |
| 1998(平成10)年 | 1,345.3万世帯 | 942.0万世帯 | 70.0% |
| 2001(平成13)年 | 1,315.6万世帯 | 936.8万世帯 | 71.2% |
| 2004(平成16)年 | 1,291.6万世帯 | 958.9万世帯 | 74.2% |
| 2007(平成19)年 | 1,249.9万世帯 | 948.9万世帯 | 75.9% |
| 2010(平成22)年 | 1,232.4万世帯 | 948.3万世帯 | 76.9% |
| 2013(平成25)年 | 1,208.5万世帯 | 961.8万世帯 | 79.6% |
| 2016(平成28)年 | 1,166.6万世帯 | 938.6万世帯 | 80.5% |
| 2019(令和元)年 | 1,122.1万世帯 | 925.2万世帯 | 82.5% |
| 2022(令和4)年 | 991.7万世帯 | 837.4万世帯 | 84.4% |
| 2023(令和5)年 | 983.5万世帯 | 810.6万世帯 | 82.4% |
| 2024(令和6)年 | 907.4万世帯 | 784.2万世帯 | 86.4% |
少子化に伴い、児童のいる世帯数も、そのうちの核家族世帯数も減少しています。一方、三世代世帯の割合が低下しているため、児童のいる世帯に限ると、核家族世帯の割合は上昇しています。
したがって、「核家族化」は単に核家族の数が増えることではなく、祖父母などを含む三世代世帯が減り、親子を中心とする世帯が主流になる変化として理解すると分かりやすいでしょう。ただし、全世帯では単独世帯も増えているため、「核家族世帯の割合が一貫して上昇している」とはいえません。
※1995年は兵庫県、2016年は熊本県を除いた数値です。核家族世帯数と割合は、公表された各世帯構造の数値を合計して算出しています。
保育士試験で覚えるポイント
令和5年 保育士試験(後期)問題 社会福祉 問19では、「2021(令和3)年 国民生活基礎調査」において、児童のいる世帯のうち核家族世帯が8割以上を占めているという記述が問われました。この記述は正しいものです。
核家族化そのものに単独の根拠法があるわけではありません。核家族化に伴う育児・介護負担や孤立に対して、次のような法制度と支援体制が整備されています。
| 支援分野 | 主な関連法 | 主な窓口・支援 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 身近な子育て支援 | 子ども・子育て支援法、児童福祉法 | 地域子育て支援拠点、利用者支援事業 | 親子の交流、育児相談、情報提供、必要な支援の紹介 |
| 妊産婦・こども・家庭への包括的支援 | 児童福祉法、母子保健法 | こども家庭センター | 母子保健と児童福祉を一体的に扱い、継続的な相談や支援調整を行う |
| 高齢者介護への支援 | 介護保険法 | 地域包括支援センター | 高齢者や家族から介護・生活の相談を受け、必要なサービスにつなぐ |
独学対策では、家族の支援力が弱まった部分を、地域や公的制度が補うという流れで理解しましょう。窓口の名称や設置場所は自治体によって異なります。
核家族化の○×クイズ
問題
核家族化が進む社会では、育児や介護の負担が家庭内の少人数に集中する場合があるため、地域の相談機関や公的サービスにつなぐ支援が重要である。○か×か。
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解答
○
解説
親族から日常的な援助を受けにくい家庭では、育児や介護の負担、孤立などが生じる場合があります。地域の相談窓口や福祉サービスによって家庭を支えることが重要です。
関連用語
核家族化による福祉ニーズを理解するには、少子高齢化、こども家庭センター、地域子育て支援拠点事業をあわせて確認しましょう。社会の変化と、それに対応する相談・支援体制の関係を整理できます。




