国民皆年金は、保育士試験の社会福祉分野で、公的年金制度の基本として押さえたい用語です。
独学で勉強する際は、国民年金と厚生年金の関係、制度成立の歴史的背景を整理しましょう。
国民皆年金とは?
国民皆年金とは、原則として国民が公的年金制度に加入し、老齢、障害、死亡などに備える仕組みです。
日本の公的年金制度は、20歳以上の人が共通して加入する国民年金と、会社員・公務員などが加入する厚生年金を中心に構成されます。
戦後の復興、核家族化、都市化、将来の高齢化への備えを背景に、1959(昭和34)年に国民年金法が制定され、1961(昭和36)年に国民皆年金が実現しました。
保育士試験で覚えるポイント
公的年金は、全国民共通の国民年金を土台とする「2階建て」の構造で、私的年金まで含めた年金制度全体では「3階建て」構造です。
| 階層 | 制度 | 主な対象・特徴 |
|---|---|---|
| 1階部分 | 国民年金(基礎年金) | 原則として全員に共通する土台。保険料の納付期間などに応じて基礎年金が支給される |
| 2階部分 | 厚生年金保険 | 会社員・公務員などが国民年金に上乗せして加入する。加入期間と給与・賞与に応じた報酬比例の年金が支給される |
| 3階部分 | 企業年金・iDeCoなど | 希望や勤務先の制度に応じて公的年金へ上乗せする私的年金。国民皆年金の対象となる公的年金ではない |
国民年金の加入者は、働き方や年齢などによって三つに分けられます。
| 被保険者の種別 | 主な対象者 | 加入する公的年金 | 保険料の負担 |
| 第1号被保険者 | 自営業者、学生、無職の人など、原則20歳以上60歳未満の人 | 国民年金 | 原則として本人が定額の国民年金保険料を納める |
| 第2号被保険者 | 会社員・公務員など厚生年金の加入者 | 国民年金+厚生年金 | 給与・賞与に応じた厚生年金保険料を、原則として本人と事業主が折半する |
| 第3号被保険者 | 第2号被保険者に扶養される、原則20歳以上60歳未満の配偶者 | 国民年金 | 本人が国民年金保険料を個別に納める必要はない |
第3号被保険者は「年金に加入していない人」ではなく、国民年金の被保険者です。また、現在は公務員も厚生年金に加入しており、共済年金は2015(平成27)年に厚生年金へ一元化されています。
年金は老後に受け取るものだけではありません。支給理由によって、次の三つに分けられます。
| 支給理由 | 国民年金からの給付 | 厚生年金からの給付 |
| 一定の年齢に達したとき | 老齢基礎年金 | 老齢厚生年金 |
| 病気やけがで一定の障害状態になったとき | 障害基礎年金 | 障害厚生年金 |
| 被保険者などが死亡したとき | 遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 |
試験では、国民年金は全員共通の1階部分、厚生年金は会社員・公務員などの2階部分と整理しましょう。「国民皆年金」は全員が同じ制度だけに加入し、同じ金額を受け取るという意味ではありません。
加入期間、保険料の納付状況、現役時代の報酬などにより、受給できる年金の種類や金額は異なります。
国民皆年金の○×クイズ
問題
国民皆年金は、原則として国民が公的年金制度に加入し、老齢、障害、死亡などに備える仕組みである。○か×か。
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解答
○
解説
国民皆年金は、公的年金制度によって国民の生活リスクに備える仕組みです。全員が同じ年金額を受け取る制度ではなく、加入状況などに応じて給付内容が異なる点も押さえましょう。
関連用語
国民皆年金を理解するには、年金保険、社会保険、国民年金をあわせて確認すると整理しやすくなります。社会保障制度の中で、老齢・障害・死亡に備える所得保障の仕組みとして関連づけて学びましょう。





