児童生活支援員は、児童自立支援施設で子どもの生活に寄り添い、自立を支える職員です。
保育士試験の社会福祉対策では、配置先や任用要件に加え、児童自立支援専門員・児童福祉司などとの違いが重要です。独学でも混同しないよう、過去問の論点とともに整理します。
児童生活支援員とは?
児童生活支援員は、児童自立支援施設で子どもの日常生活を支え、基本的生活習慣や社会性、生活力を育みながら自立を援助する施設職員です。
児童自立支援施設は、児童福祉法第7条に位置づけられる児童福祉施設であり、社会的養護を担う施設の一つです。同法第44条に基づき、不良行為をした、またはそのおそれがある児童のほか、家庭環境などを理由に生活指導を必要とする児童を入所または通所させ、必要な指導と自立支援を行います。
| 観点 | 児童自立支援施設の位置づけ |
|---|---|
| 根拠法 | 児童福祉法第44条 |
| 施設区分 | 児童福祉施設・社会的養護関係施設 |
| 対象 | 不良行為をした、またはそのおそれがある児童、環境上の理由から生活指導等を必要とする児童 |
| 支援方法 | 入所または保護者のもとからの通所 |
| 社会福祉事業上の分類 | 施設を経営する事業は、社会福祉法第2条第2項第2号の第一種社会福祉事業 |
| その他の特徴 | 少年法に基づく家庭裁判所の保護処分などにより入所する場合もある |
児童生活支援員の配置義務は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第80条に定められています。職名そのものは独立した国家資格ではなく、同基準第83条に定められた任用資格です。
現在の主な任用要件は、保育士、社会福祉士、精神保健福祉士、こども家庭ソーシャルワーカー、または児童自立支援事業に3年以上従事した者のいずれかです。
保育士試験で覚えるポイント
令和2年 保育士試験(後期)問題 子ども家庭福祉 問9では、児童心理治療施設の配置職との区別が問われました。児童生活支援員の配置が義務づけられるのは児童自立支援施設であり、児童心理治療施設ではありません。
令和3年 保育士試験(前期)問題 子ども家庭福祉 問8では、児童自立支援施設の対象と目的が問われました。同施設には児童自立支援専門員も配置され、両職種の総数は、おおむね児童4.5人につき1人以上と定められています。さらに、施設長は両職種のうち少なくとも1人を児童と起居させなければなりません。
児童生活支援員と児童自立支援専門員は、どちらも子どもと生活を共にしながら自立を支える職員ですが、支援の中心と任用要件が異なります。
| 職種 | 性格・資格 | 主な配置先 | 主な役割 |
|---|---|---|---|
| 児童生活支援員 | 施設職・任用資格 | 児童自立支援施設 | 日常生活や家事訓練などを通じて生活力を育てる支援 |
| 児童自立支援専門員 | 施設職・任用資格 | 児童自立支援施設 | 生活指導、学習・職業面への働きかけなど、社会的・職業的な自立に向けた支援 |
| 児童福祉司 | ソーシャルワーク職・任用資格 | 児童相談所 | 相談、調査、社会診断、支援方針の検討、関係機関との調整 |
| 児童指導員 | 施設職・任用資格 | 児童養護施設、児童心理治療施設など | 児童の生活指導や自立支援 |
児童自立支援専門員の任用要件は同基準第82条、児童生活支援員の任用要件は第83条に規定されています。専門員は指定養成施設の修了や所定分野の履修と実務経験など、より多様な任用経路が設けられています。
一方、児童生活支援員は日常生活に密着した支援を中心とします。ただし、実際の支援は明確に分断されるものではなく、両職種が協働して子どもの生活と自立を支える点が重要です。
児童生活支援員の○×クイズ
問題
児童生活支援員は、児童自立生活援助事業を行う自立援助ホームに配置することが義務づけられている職員である。○か×か。
解答を見る
解答
×
解説
児童生活支援員の配置が義務づけられているのは児童自立支援施設です。名称の似た児童自立生活援助事業と混同しないようにしましょう。
関連用語
配置先を理解するには、児童自立支援施設と、同施設で支援を担う児童自立支援専門員を確認しましょう。類似職との違いは、児童相談所の児童福祉司、他の児童福祉施設にも置かれる児童指導員と比較すると整理できます。名称が似ている自立援助ホームとの制度上の違いも重要です。


