【保育士試験用語集】障害者虐待防止法とは?社会福祉分野をわかりやすく解説

保育士試験対策用語集:障害者虐待防止法

障害者虐待は、家庭や障害福祉施設だけでなく、職場でも起こり得る重大な権利侵害です。

保育士試験の社会福祉では、障害者虐待防止法が定める虐待の区分・類型、発見時の通報義務、保育所等に求められる措置が重要です。独学で押さえたい現行制度と過去問の論点を簡潔に整理します。

目次

障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律とは?

障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(平成23年法律第79号)は、通称「障害者虐待防止法」といい、虐待の禁止、被虐待者の保護・自立支援、養護者への支援などを定める法律です。

平成23年に成立し、平成24年10月1日に施行されました。対象者は、心身の機能の障害と社会的障壁により、継続的に日常生活または社会生活へ相当な制限を受ける状態にある人で、障害者手帳の所持者に限られません。

保育士試験で覚えるポイント

障害者虐待防止法の3区分は、誰が障害者を虐待したかによって分けられます。

  • 養護者による虐待:家族、親族、同居人など、日常生活で障害者の世話をしている人による虐待です。
  • 障害者福祉施設従事者等による虐待:障害者福祉施設や障害福祉サービス事業所などで働く職員による虐待です。
  • 使用者による虐待:障害者を雇用する事業主や、労務管理を担う立場の人による職場での虐待です。

虐待の類型は、身体的虐待、放棄・放置、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待の5つです。虐待を受けたと思われる障害者を発見した者には、速やかな通報が義務づけられています。養護者・施設従事者等による虐待は市町村へ、使用者による虐待は市町村または都道府県へ通報します。

学校、保育所等、医療機関は、この3区分とは別に扱われます。各機関の長には、職員研修や相談体制の整備など、障害者に対する虐待を防止するための措置が義務づけられています。

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法律主な対象法律上の虐待者の区分虐待の類型通報・通告の基本
障害者虐待防止法障害者。障害者手帳の所持者に限られない養護者、障害者福祉施設従事者等、使用者の3区分身体的、放棄・放置、心理的、性的、経済的の5類型発見者に通報義務。原則として市町村へ、使用者による虐待は市町村または都道府県へ通報
高齢者虐待防止法原則として65歳以上の高齢者養護者、養介護施設従事者等の2区分身体的、介護・世話の放棄・放任、心理的、性的、経済的の5類型養護者による虐待は、生命・身体に重大な危険があれば通報義務、それ以外は努力義務。通報先は市町村
児童虐待防止法18歳未満の児童児童を監護する保護者身体的、性的、ネグレクト、心理的の4類型虐待を受けたと思われる児童の発見者に通告義務。市町村、福祉事務所、児童相談所などへ通告

試験では、児童虐待防止法には経済的虐待がないこと、障害者虐待防止法だけに使用者による虐待があることを区別しましょう。家庭の障害児に対する保護者の虐待には児童虐待防止法が、家庭の高齢障害者には障害者虐待防止法と高齢者虐待防止法が適用されます。

なお、児童虐待防止法における「児童虐待」は保護者による虐待です。保育所等の職員による虐待については、2025年10月1日から児童福祉法等による別の通報制度が設けられています。

令和2年 保育士試験(後期)問題 社会福祉 問20では、市町村障害者虐待防止センターの根拠法が問われました。令和3年 保育士試験(後期)問題 社会福祉 問19では、障害者施策に関する法律の制定順が問われました。

障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の○×クイズ

問題
この法律における障害者虐待は、養護者と障害者福祉施設従事者等によるものの2区分であり、使用者によるものは含まれない。○か×か。

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解答
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解説
使用者による障害者虐待も含まれます。法律上の障害者虐待は、養護者、障害者福祉施設従事者等、使用者によるものの3区分です。

関連用語

通報や相談の窓口となる市町村障害者虐待防止センターを確認しましょう。年齢や生活の場による法律の適用関係を理解するには、家庭の障害児に関わる児童虐待防止法と、高齢の障害者にも関わる高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律を区別することが大切です。

参考文献

くっしー
この記事の執筆者
はじめての保育士試験の「社会福祉」と「こども家庭福祉」で撃沈した人。普段は歯科医師として働きながら、育児をしています。
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