保佐は、成年後見制度を構成する後見・保佐・補助のうち、中間に位置する類型です。
保育士試験の社会福祉では、対象となる判断能力の程度や保佐人の権限、後見・補助との違いが重要です。独学でも混同しないよう、根拠法、関連事業、時代背景、過去問の論点を整理します。
保佐とは?
保佐は、法定後見制度の3類型の一つで、精神上の障害により物事を判断する能力が著しく不十分な成年者を対象とします。
根拠は民法第11~13条、第876条の2・第876条の4です。家庭裁判所が保佐開始を審判し、保佐人を選任します。被保佐人が借金、保証、不動産の処分など民法所定の重要な法律行為を行うには保佐人の同意が必要で、同意を得ずにした行為は取り消せます。
ただし、日用品の購入など日常生活に関する行為は対象外です。
保育士試験で覚えるポイント
保佐は、2000(平成12)年4月に旧準禁治産制度を改めて設けられ、本人保護と自己決定の尊重、ノーマライゼーションとの調和が重視されています。
保佐開始の審判だけで包括的な代理権が与えられるわけではありません。代理権は、申立てに基づき、家庭裁判所が特定の法律行為について別に付与します。本人以外が代理権付与を申し立てる場合は、本人の同意が必要です。
保佐そのものは民法上の制度であり、第一種・第二種社会福祉事業には分類されません。利用費用を助成する成年後見制度利用支援事業は別の行政上の支援事業です。日常生活自立支援事業は、福祉サービス利用援助事業に当たる第二種社会福祉事業で、保佐のような法定の取消権はありません。
| 制度 | 判断能力の程度・開始方法 | 主な権限 |
|---|---|---|
| 後見 | 判断能力を欠くのが通常の状態。家庭裁判所が審判 | 成年後見人に広範な代理権と取消権がある。ただし、日常生活に関する行為は取り消せない |
| 保佐 | 判断能力が著しく不十分。家庭裁判所が審判 | 重要な法律行為について同意権・取消権がある。審判により特定の代理権を付与できる |
| 補助 | 判断能力が不十分。本人以外による申立てには本人の同意が必要 | 審判で定めた特定の行為について、同意権・取消権または代理権を付与できる |
| 任意後見 | 判断能力が十分なうちに公正証書で契約し、低下後に任意後見監督人を選任 | 契約で定めた範囲の代理権があるが、法定の取消権はない |
令和6年 保育士試験(前期)問題 社会福祉 問14では、保佐人を家庭裁判所が選任することや、成年後見制度が旧禁治産・準禁治産制度を改めて始まったことが問われました。
令和5年 保育士試験(後期)問題 社会福祉 問14では、成年後見制度の根拠が社会福祉法ではないことや、法定後見制度が後見・保佐・補助の3類型からなることが論点となりました。
保佐の○×クイズ
問題
保佐人は、保佐開始の審判を受けただけで、被保佐人のすべての法律行為について当然に代理権を得る。○か×か。
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解答
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解説
保佐開始の審判だけでは包括的な代理権は与えられません。代理権は、家庭裁判所が審判により定めた特定の法律行為について付与されます。
関連用語
保佐より判断能力の低下が重い場合に利用される後見、比較的軽い場合に利用される補助を併せて覚えましょう。本人が判断能力のあるうちに契約する任意後見制度、費用面から利用を支える成年後見制度利用支援事業、契約によって日常的な金銭管理などを支援する日常生活自立支援事業との違いも重要です。





