社会福祉分野の基本中の基本「社会福祉とは何か?」を解説します。まずは社会福祉の全体像をつかみましょう。
- 社会福祉の定義
- 社会福祉が必要になる原因
- 社会福祉の分類

社会福祉の定義
「50年勧告:社会保障制度に関する勧告(昭和25年10月16日社会保障制度審議会)」によると、社会福祉とは以下のように定義されています。
「ここに、社会福祉とは、国家扶助の適用をうけている者、身体障害者、児童、その他援護育成を要する者が、自立してその能力を発揮できるよう、必要な生活指導、更生補導、その他の援護育成を行うことをいうのである。」
つまり社会福祉とは、何らかの理由で、自分だけでは自身の生活が維持できない場合に、国や地方自治体などが自立を支援していくことです。
そもそも福祉とは「幸せ」という意味です。すべての人がWell-being(心身ともに満たされた状態=広義の幸せ)を実現できるように、国をはじめとする社会が行う取り組みが社会福祉です。
社会福祉が必要になる原因
社会福祉が必要になる原因を考えてみましょう。その原因は以下4つに大別されます。
- 年齢
- 障がい
- ひとり親
- 貧困
年齢が原因となる場合
高齢者になると、自分だけでは生活の維持が困難な場合もあるでしょう。そのような場合に必要な社会福祉が、老人福祉です。
児童も同様に、親をはじめとする周囲の助けが必要になります。そのような場合に必要な社会福祉が、児童福祉です。
障がいが原因となるの場合
さまざまな障がいにより、自身だけでの生活維持が難しい場合もあります。社会福祉で対象となる障がいは4つです。
- 身体障害
- 知的障害
- 発達障害
- 精神障害
それぞれに、身体障害者福祉、知的障害者福祉、発達障害者福祉、精神障害者福祉が対応します。
ひとり親が原因となる場合
離婚や死別によって、ひとり親となってしまうことがあります。特に女性のひとり親世帯では、平均と比べて著しく低い年収が問題となっています。
ひとり親とその子どもを対象とした福祉が、母子・父子福祉です。
貧困が原因となる場合
貧困が原因で自立が困難となった場合には、生活困窮者福祉が必要です。生活困窮者福祉では、生活困窮者への自立支援などが社会福祉として実施されています。
生活保護制度も生活困窮者の自立を促す社会福祉ではありますが、基本的には公的扶助に分類されます。しかし、生活保護法は福祉三法でもあるため注意が必要です。
主な社会福祉の分類
前項の社会福祉が必要になる原因に対応して、それぞれの福祉が存在します。
社会福祉には、老人福祉、児童福祉、身体障害福祉、知的障害福祉、発達障害福祉、精神障害福祉、母子・父子福祉、生活困窮者福祉があります。
まとめ
社会福祉とは、「何らかの理由」で、自分だけでは自身の生活が維持できない場合に、国や地方自治体などが自立を支援していくことです。
その理由に応じて、老人福祉、児童福祉、身体障害福祉、知的障害福祉、発達障害福祉、精神障害福祉、母子・父子福祉、生活困窮者福祉が整備されています。
